> コラム > わが社の自慢できる保全員・オペレーター#1(愛知製鋼)

コラム

本記事は、輝(2022年11月)発行時点の情報です

TPM活動のリスタート

愛知製鋼は2020年6月からTPM(全員参加の生産保全)活動を再スタートした。
製造部門と専門保全がタッグを組み、全社一丸となって保全のレベルアップを図っている。
3年目を迎え製造現場では士気が上がっていると26年目の藤田素久さん。
自主保全のリーダーとして、彼が最初に始めたのがオペレーターによる機械の清掃活動だった。
「目標は清掃から機械の異常を判断できるオペレーターの育成でしたが、当初は保全意識のない〝単なる清掃〞でした」
そこで掃除をやりやすく、段取り良くできる作戦を考え、これにより興味を持つ人も増加。
そして今では「簡単な補修は自分たちで、難しい場合は保全にお願いする。そうした連携が取れるようになってきました」とのこと。
自主保全士1級を取得したオペレーターも増え、設備管理の質も向上、現場の保全への意欲も上がっている。

基礎教育カリキュラムの導入

一方で専門保全部署5課には若手からベテランまで約220人の保全員が所属している。保全16年目の秀島瞬さんは「以前より保全員が減ったなかで、どう新人を育成するかが課題だった」と話す。そこで同社は2017年下期から新人保全員に対する基礎教育カリキュラムを導入。これは保全に配属されてから3年間を教育期間に充て、知識と同時に現場での技術・技能を上げるというもので、秀島さん曰く「教えるべきことが凝縮しているプログラム」だ。このプログラムを経験した4年目の有村航紀さんは現在の思いを「先輩方の指導の内容や意味がわかり、できなかったことができるようになっていくことがモチベーション」と話す。

清掃による不具合点検をおこなう藤田さん

故障件数8割減の達成!

また9年目の池田海斗さんは 「うまく修理できれば感謝されますが、逆に我々が製造に迷惑をかけないよう、つねにスキルアップしていくべきと考えています」と継続した勉強が必要との思いを語る。
それを受けて幅広い知識で老朽化ラインの保全にあたる13年目の小原和也さんは「最適かつ的確な保全をすれば、手を入れただけ機械は応えてくれる」と話す。
実際16〜20年度の故障件数を8割削減することに成功したそうだ。

交流会による活動の学び

保全システムの構築

そして同社に10 年前に発足した産業用ロボット保全部署の立ち上げメンバーとして、さまざまな保全システムを構築してきたのが小原さんと同期の佐藤寛朗さん。
「安全の確保に加え、いかに早く、ラクにできるかも考慮し、次世代に配慮した設計にしたい」と思案している。
秀島さんは若手の成長を喜びながら、「今後は保全員全員が問題意識を持ち、永続的に保全活動を行っていくことを徹底したい」と考えている。

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