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コラム

次世代モノづくり講演会・工場見学会(トヨタ自動車 上郷工場)

次世代モノづくり最前線
「現場力で実践するDX」、「現場が貢献するカーボンニュートラル」とは?

開催概要

 2023年12月1日(金) 名古屋国際会議場にて、現場で実践するDXが貢献するカーボンニュートラル講演会を実施しました。
 本企画は、トヨタ自動車株式会社 上郷工場・下山工場 工場長 斎藤 富久 氏の基調講演、DX・カーボンニュートラルに関わる5つの事例紹介のご協力のもと開催されました。当日はお忙しい中、基調講演、事例紹介をいただき、誠にありがとうございました。

<基調講演>
 トヨタ自動車株式会社 上郷工場・下山工場 工場長 斎藤 富久 氏

<事例紹介>
・中部電力ミライズ株式会社
・株式会社デンソー
・トヨタ自動車株式会社
・TPMマネジメント研究会(JIPM内研究会)
・公益社団法人日本プラントメンテナンス協会」)

 また、基調講演の中で紹介された上郷工場における事例を実際に見学できる機会として、2023年12月21日(木)に工場見学会を実施し、計XX名の参加のなか実施しました。

基調講演と事例紹介レポート

 基調講演・発表事例では、「現場力」で培った「課題認識」、「原因分析」、「解決策検討・実行」などを発揮して課題に向き合う姿勢が土台にあった。そこに、デジタル技術を導入して効率化を図ることでDX化につなげている。この活動の「問題をリアルタイムに把握し、すぐに解決する」「問題が起きる前に予兆で止める」などの段階的なねらいから、目指す姿「予測・予見の世界/手の内化・コントロールできている」への実現に向け、コントロールセンターやデジタル管理ボード、兆候自動判定システムなどの現場での開発事例は、具体的で迫力のある内容であった。

基調講演をおこなう斉藤 富久 氏

 また、現場のムダを見える化し、一つひとつを解消することでカーボンニュートラルの取組みにもなる。確かに一現場での取組みとしては、ゴールに対し効果は小さいかもしれないが、全員参加で挑み続けることで、持続可能な全社規模や地球規模の課題に取り組むことができる。
 カーボンニュートラルという大きな課題のもと、こういった姿勢で現場が挑戦し続けることが、「今後の目指すべきモノづくりのすがた」の一つであると言えるだろう。

工場見学会レポート

【①カーボンニュートラルの事例】
 カーボンニュートラルの一事例として紹介いただいた手作業ライン「スーパー・スキルライン」は、「シンプル・スリム」化したのち自動化を取り入れたラインだ。ただし、このラインは、カーボンニュートラルのために構築されたラインではない。再雇用者対応として、体力に頼らなくても作業ができるよう「からくり改善」を用いた、作業者にやさしいラインであり、それが障碍者雇用も含めた、誰でも働きやすいダイバーシティ現場の実現にもつながっている。そして、無駄なエネルギーを使わないことで、そのやさしさが地球環境対策にも転換され、カーボンニュートラルにもつながっているのだ。

トヨタ自動車 上郷工場見学会での様子

【②DXの事例】
 DXの事例としては、さまざまな情報を集約・分析されたコントロールセンターである。工場のど真ん中に配置された四角い建屋にそれはあった。建屋の一面がディスプレイ化され、さまざまな情報が投影されており、自動車工場としては見たことのない光景だ。そして、トラブルが発生すると、関係する部門が集まり、情報分析と対策が検討され、すぐに発生現場に向かうとのこと。部門間や、人とシステムのボーダーを排除することで、高度で素早い対策を実現している。現場の想いから生まれたこのシステムは、トヨタ自動車の「改善後は改善前」の考え方のもと、今後も現場とともに成長し続けるシステムになるのであろうと感じた。

関連イベント

①TPM経営者懇話会

 TPM経営者懇話会は「設備管理、人材育成、新技術活用」などに関する経営上の課題を認識し、克服するための手段について情報収集する場として1988年に発足いたしました。また、本懇話会を通じた登録者同士の交流及び情報交換を促進することも開催の目的の一つとしております。各界の有識者による講演や、先駆的な取り組みをされる企業の工場見学など、新時代に向けた様々な視点での情報収集や、各社の現場革新・経営革新の一助となることを目指し、本懇話会を運営いたします。

●本記事のお問い合わせ先
公益社団法人日本プラントメンテナンス協会
普及推進部 イベント事務局
info@jipm.or.jp
03-6865-6081(音声ガイダンス3番)

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