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コラム
わが社の自慢できる保全員・オペレーター
保全に異動してから人生のベクトルが変わりました
トヨタ自動車株式会社
山内 香織さん
原田 唯 さん
本記事は、輝(2022年11月)発行時点の情報です
経験と成長
「トヨタで働くとは?」そんな興味から三好工場勤務がスタートした山内香織さん。
当初はドライブシャフトの製造を担当していたが、産休と育休を経て、2016年に復帰した際に配属されたのが機械保全を担う第2設備課だった。
山内さんは、「私にとって保全員は機械を直すすごい人たち。カッコよくて憧れでもありました。そんな部署で何ができるのかを考えたとき、『ムリ』という単語しか出ませんでした」と振り返る。
しかし、配属後は経験を積みつつ保全教育講座等から知識を獲得。ムリという言葉は次第に「やれる」に変わっていった。
人生のベクトル変化
そして2020年から主担当として携わるのが「高周波焼き入れ機焼き入れ水の定期点検」だ。
「焼き入れ水の濃度が低いと焼き入れの冷却速度が速くなります。これが金属の組織組成に影響して焼き割れ発生原因となります。古い水や不純物の混じった水も同様です」
山内さんはこの焼き入れ時の濃度等のデータを管理し、製造現場と共有することで、焼き割れの未然防止などにつなげている。
また今後はこれらデータのデジタル化を推進し、工場全体で共有できるシステムにすべく、さらなる情報収集に努めている。
「諸先輩方に比べたら私の保全力は低い。それでも自分の得意分野で保全や品質管理に携わることができますし、品質の確保も保全の役割だと考えています」
保全に携わるようになって人生が大きく変わったと山内さん。
「自分の意見を吸い上げてくれることはやる気の源になります。また、諸先輩方の機械を知り尽くしたうえで発揮される高い技術力と改善の知識、アイデアにはいつも驚かされるばかり。日々、学ぶことが多くて、会社に来るのが楽しいです!」
水の冷却能を分析する山内さん
美しい保全
そして衣浦工場にも優れた保全員がいる。それが原田唯さんだ。
製造課での6年の経験を経て、トヨタ自動車の人材育成制度を利用。保全を担う第1設備課へと異動した。
キャリア8年目を迎え、主に産業用ロボットやハイブリットユニット設備のオーバーホール業務を担当しているが、彼女のすぐれた点は部品の洗浄、修正、交換、組付けなど一連の作業がきめ細かく丁寧で、仕上がりも美しいこと。
その技術の確かさは『ビジュアルマニュアル』として整備技能伝承に役立てられているほどである。
原田さんは現在、育休中だが、この間、同課に2名の女性が配属になった。彼女たちも先輩の復帰を待ち望んでいる。
新人へのロボットオーバーホール訓練を行う原田さん
関連リンク
経営者層をはじめ全従業員の設備管理への意識を高め、設備管理の重要性を広く認識いただくことで、産業界の生産性向上のみならず環境保全や事故、災害防止に寄与することを目的としています。