> ページ > TPMに関する 国際規格 PAS 1918

公益社団法人 日本プラントメンテナンス協会(以下「JIPM」)はTPM(Total Productive Maintenance)に関するPAS規格 PAS 1918:2022(以下「PAS 1918」)を策定し、 BSIグループジャパン株式会社(以下「BSIジャパン」)より2022年7月31日に発行されました。

 

1971年にJIPMが提唱したTPMは、現在、世界中のさまざまな製造業で採用され、普及しています。また、IATF 16949(自動車産業品質マネジメントシステム規格)の要求事項にはTPMを活用することと定められており、自動車業界のサプライチェーン全体の「品質マネジメント」や「生産性向上」にも、有効な手段です。

このPASの目的は、TPMの概念を明確にし、組織におけるTPMの導入を助けるとともに、TPMに関する共通の理解を深めることにあります。導入後においてもTPMは継続することが重要であり、このPASはすでにTPMを導入している組織に対しても有効なものとなっています。

JIPMがスポンサーとなり規格策定を開始し、規格策定には海外の組織も複数参画しました。

 

【PAS1918策定に参画した組織:英国自動車工業会インダストリーフォーラムなど】

  • Confederation of Indian Industry(CII)
  • ETI GIDA San. ve Tic. A.S.
  • Exagon Experts
  • OdeXa
  • Owens Corning
  • SMMT Industry Forum Limited
  • Tetra Pak

■2. PAS 1918について

TPMは、ロスをゼロにすることを目的とし、主に自動化ラインを中心とした加工組立産業、プロセス産業における設備管理と生産性維持・向上のためのマネジメントシステムです。このPASは、TPMの基本的な考え方とTPMを実施するうえで関連するKPIに焦点を当ており、製造業の工場及び設備のためのTPMに関するガイドとなります。

またこのPASは、加工組立産業およびプロセス産業のあらゆる組織に適用できます。そして工場および設備の運転・保守に携わる人、製造部門、品質部門、保守部門、生産部門、サプライチェーンなどで働く人を対象としています。

【PAS 1918の主な内容】

  • TPM
  • ロス
  • KPIとKAI
  • 個別改善
  • 自主保全
  • 計画保全
  • 品質保全
  • 教育・訓練
  • 安全・衛生・環境
  • 初期設備管理
  • 管理・間接部門の効率化
  • 各柱とKPIおよびKAIとの関係
  • TPMマイルストーンの評価

■3. PAS 1918の今後の展開について

設備の高経年化、高機能化という問題に対しても、予防哲学から発展したTPMは、3,500件を超える国内外の企業・工場の経験に裏打ちされた具体的な各種分析手法が豊富にそろっています。
近年、設備のライフサイクル全体を見渡したコスト管理が重要視されるようになり、企業トップの方針と現場の管理指標や活動指標のベクトル合わせを活動要件としてきたTPMの考えは、わかりやすい手法として活用されています。
また、企業のサステナビリティ(持続可能性)という点についても非常に有効な考えとなることから、PAS 1918を通じ世界に対し正しいTPMの普及を目指していきます。

■4. その他

  1. PAS 1918:2022 の購入方法
    BSI SHOP(BSI英国サイト)から直接お求めいただけます。
    URL:https://knowledge.bsigroup.com/products/total-productive-maintenance-tpm-implementing-key-performance-indicators-guide/standard

  2. 関連情報
    BSIグループジャパン(英国規格協会)と日本プラントメンテナンス協会総合設備保全に関するPAS規格(公開仕様書)策定プロジェクトを開始(2020年1月28日ニュースリリース)
    URL: https://www.bsigroup.com/ja-JP/about-bsi/media-centre/press-release/2020/jipm/

■BSIについて

BSI(British Standards Institution:英国規格協会)は、1901年の設立以来、世界初の国家規格協会として、また、ISOの設立メンバーとして活動する規格策定のプロフェッショナルです。現在、193カ国で84,000組織のお客様の活動に貢献しています。BSIが開発した多くのBS規格(英国国家規格)は、ISO 9001(品質マネジメントシステム)、ISO 14001(環境マネジメントシステム)、ISO/IEC 27001(情報セキュリティマネジメントシステム)などISO規格の原案として採用されており、その実績は世界随一を誇ります。

BSIジャパンウェブページ:https://www.bsigroup.com/ja-JP/

BSIニュースページ「PAS 1918を発行」:https://www.bsigroup.com/ja-JP/about-bsi/media-centre/press-release/2022/august-2022/PAS-1918-TPM/